襖の役割と張替え時期

最近の住宅事情は従来の日本家屋とは異なり、和室を備えている家が少なくなっています。それでも一室だけは和室、という方も多いでしょう。和室にある襖は、間仕切りのために使用され、必要なときに開け閉めできる、また取り外しも簡単な建具です。
襖の歴史は長く、平安時代から寝殿造りの間仕切りとして使用されてたようです。昔は上流階級のみが使用されていたり、寺院などの襖に描かれた絵は重要な文化財になるなど、芸術面でも価値があるものもあるようですが、江戸時代には庶民にも浸透してきたという長い歴史があります。
長年日本家屋で使用されてきた襖の役割はなんでしょう。まずは保湿機能や湿度を調節する機能です。湿気の多いときには襖が水分を吸収し、乾燥しているときには水分を出してくれる、この湿気対策の機能が日本の気候に合っているのです。
それでは、この湿気に対応する機能は永久でしょうか。襖は紙質や種類、置かれていた環境によりますが、張替えの目安は約10年ほどです。破れたりしなければなかなか張替えの機会はないように思われますが、前回の張替えから長時間立てば紙も劣化してくるので、定期的に張替えするのがおすすめです。
また襖張替えを行うと部屋が明るく、気持ちも明るくなります。婚約や結婚、法事など来客がある、人が集まる冠婚葬祭やお正月やお盆などに合わせて張替えを行うのもいいでしょう。使用した年数でなく、良いタイミングで襖の張替えを行うのもおすすめです。