畳の寿命と張替えの時期について

日本の住宅になくてはならない畳ですが、材料に天然の草を使用していることから、どうしてもメンテナンスが必要になります。 しかし、畳は傷みがあっても総取替えに至るまでは長期間使うことができ、それまでの間は一部の張替えだけで済むという非常に合理的な構造なのです。
畳のメンテナンスは、3つの方法があります。 1つめは、「裏返し」と呼ばれる方法です。 これは新調してからおよそ2年から5年の間に行うもので、表面の畳表が日に焼けて変色した、小さな汚れや傷が付いたといった場合に、畳表を裏返して張替えます。 これだけで、また新調時の美しさがよみがえります。
次は、「表返し」と呼ばれる方法です。 これは、畳表だけを新調して再張替えするものです。 だいたい新調時からおよそ4年から10年くらい経って行うもので、表面がささくれだって繊維がボロボロになった状態の時、またタバコの焦げや飲み物をこぼしたシミが残った状態になるとこれを行います。
最後は、新畳です。 これは、総取替えの意味となります。 使用して10年から20年ほど経つと、全体がふわふわしたり、敷き詰めた間に隙間ができたりします。 これは、すでに内部の芯まで傷みが及んでしまい、張替えだけの修復ではもはや不可能な状態となっているのです。
メンテナンスの方法と張替えの時期を説明しましたが、素材によりこの時期は変わり、また方法も表返しの張替えをさらにこまめに行うことで、新畳の時期を大いに遅らせることができる場合もあります。 いずれにせよ、張替えをすることで長く使える畳は、先人の生きた知恵の結集といえるでしょう。